中国語単語を日本語訳だけで覚えてはいけない理由3つ
2019/11/18

ところでみなさんは外国語の単語を覚えるとき、どのように覚えていますか?
多くの方は、put 置く、cut 切る、turn 曲がる・・・など、英単語と日本語訳を並べて覚えているのではないでしょうか?
でも実は、このように日本語訳を覚えてしまうと、実際に外国語を話そうとしたときにいろんな問題が出てきてしまうんです。
今回はその実例と、そうなってしまう原因についてお話ししたいと思います。
目次
1.中国語の単語を日本語訳だけで覚えてはいけない理由3つ
理由① 中国語を話す時、日本語を直訳して不自然な表現になってしまう
もし日本語訳だけを覚えてしまうと、中国語を話す時にネイティブでも言わないような不自然な表現になってしまいます。
例えば、「そのお酢を取ってください。」と言いたいとします。自然な言い回しとしては、”麻烦帮我拿一下那个醋?” とかなるわけですが、それをもし中国語単語を以下のように覚えていたらどう表現しますか?
请~ | ~してください |
取 | 取る |
那个 | あれ、それ |
醋 | お酢 |
これらの単語を文法通りに並べ替えて、”请取一下那个醋!” でしょうか?
そうしたら中国人の方は一瞬「は?…あぁそういう意味ね。」と言って、取ってはくれるかもしれませんが、少し不自然だなという印象を受けます。
まず、”请~”という言い回しがすごくかしこまりすぎてるし、”取”は、取现金(現金を引き出す)とかには使いますが、取って!とお願いする時には使いません。
だから、上記のように日本語訳だけを覚えてしまっていると、文章は間違ってはないかもしれないけど普通はそんな言い回ししない、といった不自然な表現になりやすいんです。
理由② 中国語を話す時、日本語を直訳するため反応が遅くなる
日本語訳だけを覚えていると、中国語を話すときに日本語を直訳してしまい、会話の反応が遅くなります。
中国語を習い始めた方に多いんですが、中国語を話そうとすると、まず言いたい内容を日本語で考え、その日本語を中国語に翻訳してしまいます。しかし、中国語が流暢に話せる人は違います。言いたい内容を日本語では考えず、言いたいことを中国語でどうやって表現するか?と考えます。
前者の人でも話せないことはないでしょうが、日本語を介している分、明らかに話し始めるスピードは遅くなるでしょう。
中国語を使うときというのは、多くはスピーチといった一方的に発表する場合よりも、人と会話する機会のが多いと思います。そのときに、いちいち日本語を直訳していては頭も持たないし、普通の会話スピードについていけず、会話自体に疲れてしまいます。
理由③ 中国語の漢字や発音から意味が推測しにくい単語が覚えられない
日本語訳だけを覚えてしまうと、中国語の漢字や発音から意味が推測しにくい単語の場合、なかなか覚えられないということが起きてしまいます。
例えば、苹果(リンゴ)などは、発音が ping2guo3 で、日本語の発音と似てたり、”果”だから果実の果で、果物の一種だと覚えることもできます。こういった推測しやすい単語なら問題ないかもしれませんが、以下のような単語だったらどう覚えますか?
舒服 shu1fu(気持ちがいい)、钥匙 yao4shi(カギ)
漢字も発音も日本語と共通する部分がない単語は、だいたい覚えるのに苦労します。そういう場合は、日本語訳だけを覚えるのではなく、これらの単語を使った会話ストーリーを作って何度も発音し、音で覚えてしまう方がベターです。
2.中国語が上手に話せる人に共通する単語の覚え方
それは、①その単語の発音、②その単語が表す意味、③使い方 を覚えることです。
①発音を覚える
中国語というのは、いくら文章が正しくても、発音が間違っているだけで通じないという、とても敏感な言語なんです。(話し方は結構おおざっぱなんですが…)
例えば、”你好!” ni3hao3 (こんにちは)を、ni3hao1 なんて言い間違えたら完全に「は?何だ?」と言われちゃうでしょう。声調を間違えただけです。↓でちょっと聞き比べてみてください。
【正しい”你好!” ni3hao3 の発音】
【間違えてni3hao1と発音した場合】
さらに、声調が異なるだけで、単語の意味が変わってしまうものもあります。
鲸鱼 jing1yu3(クジラ) 金鱼 jin1yu3(金魚)
展览 zhan3lan3(展覧する) 蟑螂 zhang1lang2(ゴキブリ)
なので、何が何でも発音だけは正しく覚えるべき。本当に正しい発音ができているか不安であれば、誰かにチェックしてもらうのがいいでしょう。
②単語の意味を覚える
ここでいう意味というのは、物や事柄、状況など、その単語が指しているもののことです。
例えば、”感情” gan3qing2 というのは、日本語の「感情」とは指しているものが違います。日本語の「感情」といえば、嬉しい、悲しい、寂しいなど気持ちが含まれますが、中国語の”感情”にはその意味はなく、人や動物に対する愛情という意味で使われています。
なので、漢字が同じだから意味も同じだ!と考えず、本来指す意味を覚えるようにしてください。
③使い方を覚える
3つ目に覚えるべきことは、その単語の使い方です。これも、自然な言い回しを適切に使うには必要なことです。
例えば、”去”というのは「行く」という意味で、我们去上海。(私たちは上海に行きます。)と使います。それでは、「行きましょう」と言いたいときは、”我们去吧。” でしょうか?より自然な言い回しとしては、”我们走吧。” のほうがよいです。
どういったときにどんな言い回しをするかは、ネイティブが話す姿を観察したり、ドラマや映画などで、実際に使われているシーンに出会うことが近道だと思います。こんな時にこんな表現するんだよ と説明されるよりも自分の目で確認したほうが、より印象に残るはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?単語を覚えるときは、日本語訳だけでなく、①その単語の発音、②その単語が表す意味、③使い方 を覚えましょう。
確かに、場合によっては日本語訳を覚えてしまったほうが簡単な時もあります。それは、中国語と日本語の意味が完全に一致しているときです。例えば、「苹果」と「リンゴ」は指しているものが一致しているので、日本語訳だけでも問題ないと思います。
しかし、それ以外の中国語と日本語で概念が一致しない単語については、日本語訳だけでなく、その単語は発音、それを意味する物や事柄、使い方を覚えていくほうが、よりネイティブに近い自然な中国語を身に付けることができるでしょう。