【中国語文法】「不-没」、「我们-咱们」、「有点-一点」の違い
2016/03/25

今回は、「不(bu4)-没(mei3)」、「我们(wo3men2)-咱们(zan2men)」、「有点(you3dian3)-一点(yi4dian3)」 の違いについて。
「”没”で”~ない”という否定だけど、”不”も否定ですよね? ”没有”じゃなくて”不有”じゃだめなんですか?」
「”咱们”って”私たち”という意味ですか?じゃあ、この前出てきた”我们”とは何が違うんですか?」
「”有点”と”一点”も”ちょっと”という意味みたいですが、使い分けが分かりません…」
という質問をよく受けます。
なので、今回はその答えをできるだけ分かりやすく!まとめていきたいと思います。
そもそも、どうしてこんな疑問が起こるのか?
突然ですが、みなさんにクイズです! ジャジャン!
「中国語と日本語は、すべての言葉において、お互いに対応する言葉が存在する。」
A:うん、正しい。
B:それは間違っている。
これがAだと思う方は、首をタテに
Bだと思った方は、首をヨコに振ってください。
…5、4、3、2、1、終了!
さて、答えの発表に参ります。正解は…
首をヨコに振った方、おめでとうございます!
正解は、Bです。
「お互いに対応する言葉が存在する」…とは限りません。
どういうことかというと、
「中国語と日本語で、お互いの言葉の意味がぴったり該当するわけではない」ということ。
え?だって、翻訳サイトでは日本語を入力すれば中国語が出てくるし、
日中辞書には、それぞれに対応する単語が載ってるじゃない!
なんて声が飛んできそうですが、確かにぴったり該当する言葉もあります。
でも、一部は「その中国語の意味に近い日本語を当てはめている」だけ。
だからもし、
”不”と”没” は、「~ない」
”我们”と”咱们”は、「私たち」
”有点”と”一点”は、「ちょっと、少し」
と日本語訳だけを覚えていては、いざそれらを使おうとした時、
どんなときに使い、どんな使い方をするのか が分からなくなってしまうんです。
じゃあどう覚えればいいの!?という方はこちらをご参考ください。
副詞 ”不”と”没”の違い
”不”は、動作や状態の否定に使います。
”我不喜欢这样。”(こうするのは好きじゃない。)
⇒「好く」という行為を否定
”明天我不参加会议。”(明日会議には参加しません。)
⇒「参加する」という動作を否定
”昨天很热,今天不热了。”(昨日は熱かったが、今日は熱くなくなった。)
⇒「熱い」という状態を否定
そして、”没”は、過去のことを否定する場合にを使います。
”我没去美国。”(アメリカに行ってない。)
⇒「過去にアメリカに行ったこと」を否定
”我还没吃饭呢。”(まだご飯食べてません。)
⇒「数時間前にご飯を食べたこと」を否定
”我们都没(有)同意你的意见。”(私たちはあなたの意見に同意していません。)
⇒「過去に意見に同意したこと」を否定
また、出来事や物の存在を否定する場合も、”没”を使います。
”没(有)人。”(人がいない)
”没(有)杯子。”(コップがない)
”没(有)什么事。”(何も用事がない。)
原則として、”没”には過去の意味が含まれるため、”没”否定した時は、”了”はつけません。
”我没去美国了。” ⇒ ”我没去美国。”
しかし例外で、変化を表す場合は”了”をつけます。
”没(有)电了。”(「あったものがなくなった」という変化)
このように見ていくと、
”不”は日本語の「~しない」、”没”は日本語の「~していない」、「~ない」
と訳せるんじゃないの?と思われそうですが、そういったように理解はできます。
しかしやはり日本語には訳さず、
① 動作、状態の否定は ”不”
② 過去の否定は ”没”
③ 存在の否定は ”没”
と、できるだけ「中国語の感覚」で理解してください。
”我们”と”咱们”の違い
”我们”と”咱们”は、日本語では「私たち」と訳されているので、
どんな場合にこれらを使い分けるの?と疑問に思う方が多いです。
違いを以下にまとめると、こうです。
”我们”は、話し手とその他の人を指し、会話の聞き手は含まれない。
”咱们”は、話し手とその他の人を指し、会話の聞き手を含む。
例えば、”我们”の使い方はこんな感じです。
”我们”を指しているのは、ピンクのエプロン来た二人。
聞き手である白いお姉さんは対象に含まれていません。
続いて、”咱们”の使い方。
”咱们”を指しているのは、握手している二人。
(状況によっては、そこにいる全員)
”我们”と”咱们”、これだけで「私たち」が指す対象が変わっています。
日本人が日本語でこの違いを表現するなら、
会話の流れから意味を汲みとっている感じがします。
中国語ではこのあたりをはっきり分けてますので、
いい間違えて勘違いされないように気を付けましょう!
”有点”と”一点”の違い
これもよく使い方を迷いやすい言葉ですが、
日本語ではどちらも「ちょっと」とか「少し」と訳されています。
両方とも、程度がそんなに高くないことを表します。
”有点”のイメージとしては、「不愉快」な感じ。
”有点”+形容詞/動詞 の形で表現します。
”今天有点冷。”(今日ちょっと寒いね…)
”我有点不舒服。”(ちょっと気持ち悪い…)
”这个衣服有点大。”(この服ちょっとでかいよ…)
”一点”は「不愉快」な感じでも、そうじゃなくても使えます。
こちらは、形容詞/動詞 + ”一点”で表現。
”今天比昨天冷一点。”(今日は昨日より少し寒いね。)
”这种草莓我也买了一点。”(この苺、私も少し買ったよ。)
”太贵了,便宜一点吧!”(高すぎる、ちょっと安くしてよ!)
”有点”と”一点”の違いとして、まずは、配置する位置が異なること。
それから、ニュアンスが異なります。
「ちょっと~だよね…」と嫌な感じで言うときは”有点”、
「少し~だね」とか「ちょっと~してください」とお願いする時は”一点”。
まとめ
いかがでしょうか?
近隣の国である中国でも、やはり日本語とは言葉の世界観が異なります。
日本語の直訳を覚えるより、このように中国語本来の意味やニュアンスを理解していくと、
使い方に迷うことはなくなるはずです。
それでは、また!